今さらの、前前前世「君の名は。」
やっと見てきた(笑
作家性を捨て、それ以外は新海誠の全力を尽くしたのが本作だった。
新海誠監督と言えば、小難しくて作家性が強くよく言っても私小説的。
広く巷で受け入れられそうな作風ではなく、「プロジェクトA」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を「娯楽映画のあるべき姿」としているボクにとっても、相容れない作風だったこともあり、なかなか観に行く気にはなれなかったのだが...
正直申し上げて、時系列がチョメチョメだったこと以外、手垢がついた物語であったことは否めない。
それでも、新海誠監督の演出力や現代でコストをかけて作画すればここまでイケることを証明した超美麗な作画,RADWIPSのキャッチーな楽曲と、見所沢山であった。
娯楽作として十分、アニメーションでもデートムービーとなり得ることを示して見せたのだ。
ただ、どうだろう?
確かに本作は、2016年度時点ではベストの一作と思うが、普遍的でありえるか?は、別のお話となってくるのではないだろうか?
我が国の自衛のあり方について課題を突きつけた「シン・ゴジラ」や真の戦争映画となった「この世界の片隅に」と比べ、(戦争映画を賛美するつもりないが)骨がひとつないことも、また確かなのである...