変に触って逆効果「狼と香辛料II」

　主なスタッフを継続するはしたものの、制作会社をIMAGIN（他で聞いたことがないので、とても小規模な会社なのだろう）から変更することが発表になった際、ネット上で懸念されたことが、本当にと思う。
　アニメ版一期の「狼と香辛料」の味が、全部抜け落ちた。
　
　最も印象を変えたのは、「声」だと思う。
　ロレンスとホロが、前作と全く違う入り方をしている。
　作品世界を鑑みて、前作の、相当に控えめな声の出し方が合っていた気がするのだけれど、新しい音響さん（かな？）は、そうは思っていなかったようだ。
　
　付け加えれば、（比較級になるが）画も前作の方が良かった。
　前作は、制作のパワーがなくいっぱいいっぱいの感じだったが、それでも「狼と香辛料」の世界の雰囲気を伝えようと腐心しているところが伝わってきた。
　それに引き替え、今回は、画が軽いと書けば伝わるかな？
　
　物語とそれがまとう雰囲気が第一の原作だけに、上記の二点を失ったのは非常に残念に思う。
　原作のファンではあるが、この組み合わせで制作されるなら「狼と香辛料III」が放映されても、もう見ないだろう。
　原作を読んだ方が、いい。
　
　ソフトの売り上げと「狼と香辛料」を知らしめる役目は終えたことから、IIIの可能性は非常に低いと推察されるけれど。