「猫物語(黒)」
放送では30分×4回をひとつに纏める体が取られ、全体の密度は丁度良い印象だった。
ほぼ阿良々木暦と羽川翼の二人で物語が回っているため、場面転換などが最小限に収まっているのも、ひとつの要素だろう。
総じて、「偽物語」よりかなり締まった、良い出来映えである。
一方で、怪異を感じさせる成分が軽く抜け落ちており、薄味だったのも事実。
そのあたりの表現は、化物語を頂点にだんだん減ってきていて、〈物語〉シリーズアニメーション化の意義を根本から問い直す仕上がりだとも言える。
自宅の音響システムを今の形にして以降最初の〈物語〉シリーズなので厳密な比較ではないが、テレビ放送故の低音のなさを除けば、シリーズ最高の音響設計が施されているのではないか?
そう書けるくらい、「立体感があった」。
ED曲でsupercellの採用を止め,神前暁氏としたのは正解。
締まりが違うし、他の劇伴と一貫性も取れているから、心地よく見終えることが出来た。