これも素晴らしい「氷菓」。だが...

 スロースタートだったので、当時、僕は切ってしまおうと考えていたのだ。
 でも、先行して見ていた人に強く継続視聴することを勧められて見終えた。
 僕の第一印象が間違ってました。見続けて良かった。
 
 いわゆるラノベテンプレでない小説を何本かアニメーション化して手応えを確かめたのち、万全を期して角川書店京都アニメーションへ依頼しただけあって、洗練されていて,且つアニメーション向きだった。
 折木奉太郎中村悠一福部里志阪口大助の男性声優もはまっていた。
 逆に、当初は女性陣は萌えがないと言われていたが、バランスは良かった。
 
 謎解きと共に変化する主要登場人物四人の微妙な心情の描写は、これを得意とする京アニならではのものと言え、他のスタジオと役者が何枚も違う貫禄さえみせるもの。
 OPとEDともに一回ずつ変更しているのだが、これは、多分、後の方のEDがEDの本命だったからだと好意的に解釈しておく。
 最初から後のEDを使っちゃうと、ネタバレをも含んでしまうから、仕方なし。
 
 最終回「遠まわりする雛」で決定的に奉太郎がえるに魅せられる演出となるハズだったと推察するのだが、この回に魅力が欠けているのがもったいない。
 「あきましておめでとう」の小紋のえるは、生き雛様えるより魅力があった。
 演出を当番制としている弊害というか、京都アニメーションは、名を秘すが、重い役職に就いている古参のスタッフが若手に負けているのが現状。
 「けいおん!」くらいからその傾向は見て取れたが、そうだと確信した次第。