画竜点睛を欠いた「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation」

 ゲームが原作だから大したことなかろうと、見切る気満々で見始めたのだけれど、いい方向に裏切られた!
 設定は大胆で,一歩間違えるとただの大風呂敷になるところだが、「希望ヶ峰学園」で次々と起こる殺人事件が刺激的。
 気をつけていれば「視聴者にもわかるヒント」と「ぶっ飛んだ謎解き」(特に後半に多い)の使い分けが上手く、グイグイ引きつけられる。
 回を追うごとに、話のペースを上げて畳みかけるようにしていくのも、スピード感を増していくようで、この題材には合っていた。
 
 誰かと思えば、岸誠二監督+シリーズ構成上江洲誠氏の鉄板コンビ。
 相変わらず、素晴らしいです。
 
 最後の豊口めぐみさん百変化も「引き出し」を出しまくりで凄かったが、白眉は日笠陽子さんのヒロイン力でしょう!
 序盤は他のキャラに譲るような形を取っておきながら、徐々に存在感を増していく、その過程の違和感のなさと、終盤の「ザ・ヒロイン」的存在感。
 ゲームのキャストを引き継ぐと、概ね失敗するのは、このクラスの声優さんたちには当てはまらないのだなぁと、感服した次第。
 
 これだけのモノなのに、「二期をやりたいな、チラッ」って色気を出したのか、全ての謎を視聴者に開放しなかった、この点だけが×だ。
 
 まだ見ていない人は、是非見るべし。時間を無駄にはさせない。