「宇宙戦艦ヤマト2199」の存在の耐えられない軽さ

 西崎義展氏の脳内にある「宇宙戦艦ヤマト」を映像化。
 登場人物が多くの役割を兼務していた元祖*1にを見直しキャラクター数を増やして担当を細分化すると同時に、地球を攻めるガミラスだって一枚岩ではなかろうと「現代的な」解釈を盛り込んできた。
 つまり、細部の設定は作り込んではいる。
 いるんだが、それらはほとんどが回収されず、「宇宙戦艦ヤマト」の根幹の部分は極めて薄っぺらくなっていて、元祖が持つ重厚感は失われている。
 
 CGで描かれるヤマトは細密ではあるが、元祖のようなパースをきつく使った描写はCG故になくなっており、その迫力は面影もない。
 これは、ガミラス艦も同様である。
 
 OPの「宇宙戦艦ヤマト」は有名どころの歌唱を重ね合わせたが、ただの重ね合わせであって合唱ではないので、ボーカル音圧が低い垂れ流しである。
 それはまだマシな方。あとに行くほど、頭を抱えたくなるOPやED曲は続出。
 素直に、ささきいさお氏に「真っ赤なスカーフ」共々依頼できなかったのか?
 
 いやはや、多くの人が見ていたのでフォローしたが、とんでもない駄作。
 
 それにしても、巨乳キャラの投入は、天国の松本零士先生もお怒りだろう。
 (いや、殺すなって!)

*1:敢えて、1974年版を、ここではそう記す。