ありがちだけれど、魅せきった「ニセコイ」

 抑も、「ニセコイ」は、オリジナリティー溢れる原作ではない(悪口ではない)。
 30年ほど前から、手を変え品を変え使われてきた、手垢まみれの素材だ。
 演出,見せ方にポイントがあるので、紙面で発揮できていたそれを、映像で如何に展開するかがキモなのだ。
 これは、多くの場合、失敗してしまう...
 
 それでもやりおおせたのは、「さよなら絶望先生」シリーズで「原作通り」をやりきり、鍛えられた龍輪直征監督の力かと。
 文化祭で終えるあたりは、「化物語」と似た構成で、新房昭之氏らしさが鼻につかないことはないけれど。
 
 本作は、ヒロイン達の描き分けも適切だった。
 ただ、阿澄佳奈さんの橘万里花は、東山奈央さんや花澤香奈*1さんに押され、ちょっとかわいそうだった。
 他の人が、良かったんぢゃないかなぁ。

*1:今回「は」、凄くあっていたと思う。ン年ぶりの当たり役!