「四月は君の嘘」
ピアノを弾く「元」天才少年の成長譚。
ただの「ボーイ・ミーツ・ガール」ではない原作の意図を汲み、キッチリとアニメーション化してきた。
実は、音楽の要素は添え物だが、その演奏部分に「これでもか!」とのこだわりを見せ、作品の厚みを増させることに成功した。
「かをりが最後にどうなるか?」あたりは序盤で既に想像に難くはないが、有馬公生と彼を取り巻く(彼も肥やしとなっていく)友人や関係者たちとの関わりの深さが、そんなものは一切払拭してくれる...
作品の性格上、原作漫画とアニメーションを同時に終えることが出来たことも、幸いだった。
当ダイアリーであまり触れない項目だが、本作では色彩設計が素晴らしい。
かをりが弱っていくほどに描かれる色が淡くなっていく演出があたりは、思い返すと、最初から見込んで全部やっている節がある。
ここで演じておられる声優さんは、全部いい。
椿役 佐倉綾音さんは「負け続ける女の子」を好演、本当に上手くなった。
凪役 茅野愛衣さん、アナタはズルい(笑
かをり役 種田梨沙さん、今まで無視していて済みませんでした。
「ハチミツとクローバー」から始まったノイタミナ枠、このところアニプレックス制作のアニメーションに厳しく書いていたが、本作で頂点を極めたとボクは考えている。
それは、「当初の目的を達した」ので、枠を終えてもいいくらいかと。