高校野球を描いた頂点「ダイヤのA」

 高校野球を経験した作者が描く原作の味を活かした、アニメーション化。
 試合での場面は、「おおきく振りかぶって」で水島努監督が推し進めた、グランドのレベルに近い視点を採用することで、「主人公たちがプレイしている」実感を得られる仕上がりとなっている。
 
 基本的にバカで真っ直ぐな*1沢村栄純の成長譚、これに関わるふたりのチームメイトの捕手(御幸一也と滝川・クリス・優)こそ、この作品のキモ。
 第一話(だったかな?)で櫻井孝宏さんの声を聞いた時点で、「この作品は勝った」と確信。
 様々な過去作品のエキスをまとめ仕上げられた本作、野球を描くアニメーションとして頂点に立ったと思う。
 
 試合の場面が長い点は、ご愛敬。
 このシリーズのこと考えれば、青道高校が夏の予選敗退した時点で終えるのが収まりいいモノの、間髪入れずに「ダイヤのA -SECOND SEASON-」を放送することが決まっているとなれば、放送されたとおりの箇所までやっておくのがベターだろう。
 
 定番のシリーズ以外で、このように長い放送期間を確保したアニメーションは、数少なくなった。
 このところ、NHKも2クールが上限、頼るはテレビ東京系列だけって惨状。
 こども向けアニメーション、少子化とは言え、厳しい限り。

*1:少年漫画では、お約束の設定ですな。