映像化のタイミングが早ければ...「それが声優!」

 「さよなら絶望先生」の久米田康治の弟子(笑),もしくは「ハヤテのごとく!」原作者の畑健二郎による同人誌をアニメーション化。
 声優業界を目指す向きに綴った体の、「あるあるネタ」集だ。
 
 原作を、経験豊富な現役女性声優あさのますみ氏が書いたことで、よりリアリティーは持っているのだが、その立ち位置と本作のゲストに現役トップ声優を各階招いているためであろう、関係各所に配慮されたマイルドな表現がそこかしこに。
 それでも、この同人誌が書かれはじめた頃は新鮮で、即アニメーション化が決まったのだと推察している。
 が、先に「SHIROBAKO」が発表され、きれい事ばかりでないことを描写されたばかりなので、コチラは見ていて何か胡散臭く感じてしまう。
 
 メインヒロイン役・高橋李依サンの「常に何か足りてない」感ある演技など(天然物かも知れないけれど)、作品としてのクオリティーは高い。
 全盛期のGONZOを知るものとして、この作風には感慨深いモノがあるが、そういうものを切り捨てれば、楽しめる一作。
 
 原作者渾身(であろう)の、各回のEDも必聴だ。