紛う事なきオトナの味「昭和元禄落語心中」

 昭和初期の落語界を舞台とした、人情恋愛もの。
 主に落語を演じる三人が、それなりに落語を勉強されてきたためか,そういう演出の主旨あったためか、落語成分高いが、これはおまけに過ぎない。
 「じょしらく」と同程度の扱いのハズ。
 落語界に失礼あってはとの配慮だったかも知れぬが、そこに力を入れすぎたのは、結果的に失敗だったかも。
 
 いい年をした男視点での、男女の機微の描き方は秀逸。
 それを石田彰(このキャスティングは以外だった),関智一のご両人が、想像の上を行く演技で答えておられる...
 「さらい屋 五葉」とつ通じたテイスト。
 大人向けすぎて、これもまた、受け入れられる層に限りあると思う。
 
 しかし、変わらずに挑戦し続けるスターチャイルドレコードの姿勢、嫌いではない。