「夏のあらし!」

 久しぶりに、縛りがなく作られたシャフト作品と言った感じで、妙な緊張感なく見終えることが出来た。
 「ぱにぽにだっしゅ!」より後に制作されたシャフト作品(現在進行中のものも含む)は、妙な制約をつけられたり,アニメ化へのハードルが高い原作を押しつけられているようで、面白かったり,正直微妙だったり、できあがりの振れ幅が大きい印象がある。
 が、「夏のあらし!」には安定感があった。
 挿入歌の使用やOPやEDの絵が70〜80年代のレコードを元にしているなど、ちょっとだけ古さを感じさせる音の演出をする(本当に戦時中のを使うと、古すぎるのだろう)などの工夫がされていた。
 画も、今の小林尽風の画で、且つ夏を意識させる色遣いが随所にされており、出来る限りのこだわりをしている印象。
 
 「夏のあらし!」をアニメ化した経緯は知らないけれど、前々からシャフトが原作の小林尽をマークしていたことは、ほぼ公の事実。
 「ぱにぽにだっしゅ!」制作時も、売れた「魔法先生ネギま!」ではなく,アニメ版「スクールランブル」を意識し、出来が被らないようにしていたことが、後に明かされている。
 これは、シャフト(新房監督)がやりたかった原作なのだろうと推察する。
 
 と、まぁ、内容は褒めてばかりだけれど、ソフトが売れるタイプの作品か?と問われると、ちょっと考えてしまう。
 現時点で、既に秋に二期ほ放送が確定しているのだが、いや、見たいのだけれど、収支的にどうよ?と思ってしまう。
 で、作りたいものをさせてもらった分、「魔法先生ネギま!」でシャフトはスタチャにご奉公しなければならないのかも知れないが。