これもひとつの萌え四コマの方向性「Aチャンネル」

 萌え四コマのアニメーション化は、「あずまんが大王」から「ひだまりスケッチ」(一期)へと、抽象的表現へと先鋭化していったが、「Aチャンネル」は、その振り子を大きく揺り戻した。
 原作のキャラクターデザインが記号化の極致であるのを、逆手に取った形。
 比較的自然な画角を多用し、フレアやゴーストを敢えて入れる表現を多用。
 感情表現の振り幅も大きい。
 
 トオル視点がより抽出されていて、終盤ではこれがより顕著になる。
 もとより「Aチャンネル」はトオルを受け入れられるか?で、万人受けは難しい原作なのだが、映像化に際し、これを大幅に割り切って来たのだ。
 他の選択もあろうが、これはこれで、よかったのではないかと思う。
 
 神前暁氏のOP,EDの完成度が高かっただけに、微妙な感じがする劇中歌が挿入されたのは、実に残念。
 営業的な理由なのだろうけれど、作品としては、ない方がマシだったかな。