シンプルにしすぎた「スイートプリキュア♪」

 登場人物の関係が複雑だった「ハートキャッチプリキュア!」の反省に立ち、シンプルな女児向けに徹したのだろう。
 が、シンプル故に、「幸福のメロディ」や「伝説の楽譜」など、題材の描写に説得力がなかったことを逆に際立たせてしまった。
 音楽部分は、特別なスタッフを登用しても良かったかと思う*1
 また、「ハートキャッチプリキュア!」では影を潜めた、親御さん向けの免罪符となる教育的配慮の回も、本作では復活。
 これらの「駒を置いているだけ」のようなシリーズ構成は、興ざめさせられるものがあった。
 
 「機動戦士Zガンダム」のように戦いながら語り合う描写があったり,「宇宙戦艦ヤマト」よろしく教会ごと離陸したり、プリキュアシリーズらしからぬ演出も見られたけれど、全体を俯瞰するとメリハリに欠けてしまったと思う。
 
 プリキュアシリーズは10年が目標らしいが、次作は崖っぷちの戦いとなろう。

*1:ベン・トー」における弁当作画監督のように。