価値ある「へうげもの」のアニメーション化

 いまだ「時代劇は大河ドラマ」との風潮はあるが、ハイビジョン化されたため,また古い面影を残す撮影スポットが減っているため、その他諸々の理由で、あの枠の説得性は失われてきている。
 きらびやかな安土城,焼けただれた本能寺,数々の名物など、「へうげもの」で描写されたものたちは、アニメーションでなければ、現在の日本のコンテンツの制作予算枠ぢゃ実現し得なかったものだ。
  これぞ、アニメーションの極み。価値があるものなのだ。
 
 映像化する場合、前後で齟齬がなきよう配慮する必要がある分,最後をあそこにした*1分、「へうげもの」原作より古田織部の数寄者らしい描写が減り,千利休に重きが置かれてしまったところに不満はある。
 しかしながら、上記の理由および原作のテイストを失わぬよう配慮し尽くされたプロットと演出であった故に、これはポジティヴに受け止めておきたいところである。

*1:もう、ネタバレを避ける時期でもないが。