「夏目友人帳 肆」

 「夏目友人帳 参」の感想を書いたとき、「自分から前向きに動く夏目に違和感」がある旨を書いたが、「夏目友人帳 肆」ではそのあたりが修正された。
 少しだけ受け身に戻った、夏目貴志である。
 主人公が成長しないのも困るんだが、キチンとそこの調整もされている。
 初見の一期は横に置いて、「夏目友人帳」最高の出来なのではないか。
 
 まだ続けようとすれば不可能ではなかろうが、今回の締めはシリーズの締めにふさわしいエピソードが採用された。たぶん、五期はない。
 「地獄少女」や本作など妖怪づいている大森貴弘監督も、これらとはこの辺でお別れと言うことなのだろう。
 
 ひとつ苦言を呈するとすれば、仕事師で構成されていた「夏目友人帳」シリーズのキャスト、本作では何カ所かで妥協が見られたことが残念。
 例を挙げるときりがないのでひとつ、最後のエピソードのイラッとする親戚の娘に、潘めぐみはないだろう。下手過ぎる。
 イラッとする女の子をやらせたら右に出るものはいない小見川千明とか、その他にも選択肢はあったと思うのだが...
 最初に述べたとおり、基本的に良かったのだけれど。