超日常系アニメーション「たまこまーけっと」
所謂日常系アニメーションと言われるものを、その通り許容するとすれば、「たまこまーけっと」は超(スーパー)日常系アニメーションだ。
日曜日の夕方に、「サザエさん」とセットで放送されたとしても違和感がない。
姿形を変えども、元請制作では「萌え」を挟み込んできた京都アニメーションとしては、それを取り除く方向の本作は、例外的である。
山田尚子監督,シリーズ構成吉田玲子氏,キャラクターデザイン堀口悠紀子氏と「けいおん!」シリーズと同じ布陣。
細かな演出のテクニックやシナリオの構成などに共通項が見られるが、たぶん、このトリオの感性は、コチラの方が生々しく出てきているように思われる。
完全オリジナル作品だから、ってところではなく、ハナから取り組み方がだ。
これを非常に良いと考える人は多いと思うし、その列に僕も並ぶことに異論はないのだけれど、だから「たまこまーけっと」が名を残すモノになるかと言えば、それは、ちと違うような気はする。
山田監督が大監督に出世すれば、転機となった作品として誰もが想起することになるであろうが、それはまだ神のみぞ知るセカイである。