甘酸っぱい青春譚「琴浦さん」

 「人の心を読めてしまう」特殊能力を持つ、琴浦さんと取り巻く仲間たちの青春譚。
 おバカだったり,エロスだったり,一物腹に持っていたりするけれど、性根はみんないいヤツで、お互いの関係を測りながら成長していく。
 
 「みなみけ」や「みつどもえ」の時からそうなのだけれど、太田雅彦監督って、そんなテーマを据えつつも、重くそれを視聴者へ押しつけない上手さがある。
 これらと比べれば「琴浦さん」は流石に重いものの、キャラクターデザイン/総作画監督*1に「みつどもえ」の大隈孝晴氏,ヒロインに金元寿子さん,相手役に福山潤さんと軽さの演技に妙がある役者さんを据えて、バランスが取られている。
 いや、他にも、キャラの関係の機微を細やかに描写する場面も多くあって、相当にクオリティーは高い作品になっていると思う。
 
 萌え要素が少ないため、ソフトの販売は伸び悩んでいるけれど、原作単行本が驚異的に売れたようだし、外野が語るのもおこがましいが、トータルとして「成功」でいいのではないだろうか?
 「男子高校生の日常」に続き、WEB漫画から面白いコンテンツを引っ張って来れたことも、収穫でしょう!
 
 ...強いて書くならば、終盤の犯人を制作側も隠すつもりはなかったのだろうが、あまりにあからさまなキャスティングは、勘弁していただきたかった(笑
 その手の役が、渡辺明乃さんならたいへんに上手いことは、わかりつつも。

*1:総作画監督」と「作画監督」の違いがわからねーよ。