宮崎駿監督の引退に寄せて
遅きに逸した感はあるけれど、テレビアニメの感想が遅れている分だけ詰めて書いていたということで、ご容赦願いたい。
これまで一切触れていないように、最近の宮崎アニメを、僕は評価してない。
軽妙洒脱な宮崎節から大艦巨砲主義に変節していった時点で、宮崎駿の時代は終わっていたのだと思っている。
つまり「紅の豚」までが頂点、以降緩やかに衰退していっているイメージだ。
会見を見て驚いたのは、監督自身もそれを自覚されていた節があることだ。
この頃が本当の辞め時だったのかも知れないが、この時期は期せずして、日本テレビがスタジオジブリ作品への投資を開始した時期と重なる。
宮崎駿個人としては辞め時ではあったが、スタジオジブリの組織(雇用者やその家族の生活)を慮ると、軽々な判断は出来なかったのだろうと推察した。
「辞める,辞める」詐欺も、それなら情状酌量の余地があったかも知れぬ。
それでも、ここで引き際を見つけることが出来たのは、幸いだったと思う。
もうアニメーションには一切タッチしない意向を示されているが、個人的には力量差が明確に出る軽い短編なら、まだ見てみたい気はする。
お題は「ルパン三世」でひとついかが?