悪い意味での、京アニ演出の集大成「響け!ユーフォニアム」
「響け!ユーフォニアム」は、成功作「涼宮ハルヒの憂鬱」以降に彼らが編み出してきた演出ノウハウを全て投入してきた。
多くの主要メンバーをクレジットに並べ、「総力戦」が目立つこのところの京都アニメーション制作の中でも、とりわけの意欲作だ。
サブまでかわいいキャラクター,実風景を参考に落とし込まれた背景,個性を持たせつつ滑らかに描ききった演奏シーンなど、彼らの評価を高めたモノの頂点が、ここにある。
大人数の女の子が集まる部活動で、足の引っ張り合いや陰口が頻出するだろうコトは想像に難くないし、それで「過去に何かあった」描写などはOKだ。
ヒロイン4人は冴えないが、あすか先輩でご飯三杯イケる*1、前半はいい。
が、大会へ向かっての滝昇先生のコミュ障ぶりに、問題が大ありだ。
大人数の部活動などで組織を経験した人にはわかるだろうが、選出しなかったメンバーへに対する彼の冷遇っぷり,切り捨て方は、99%大会まで組織を維持出来なくなってしまう、それである。
彼が気を遣ったのは、ヒロインから演奏パートを奪ったあとのフォローのみ。
そういった機微のなさが、リアルさが売りの京アニ的アニメーションとマッチせず、大きな違和感を残した。
バランスの観点から、作り込みの甘さ目立つ代物だった。