大人たちの仮想ノスタルジー「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」

 「異能の超人」を描くふりをしつつ、「神化」=「昭和」の戦後を主に描く。
 描写はやや反体制派に美化された部分があり、現自民党政権へのアンチテーゼの風合いを色濃く出すが、それをいとうのいぢ氷川へきるなどのキャラクターデザインで薄めた印象だ。
 原作,脚本の會川昇氏、水島精二監督とも昭和40年度の生まれで、ギリギリ学生運動を知るか知らないかの世代。
 浅間山荘に鉄球が打ち込まれ、成田紛争が実質瓦解するさまを見てきた最後の世代による、渾身の一発と言ったところか。
 
 しかしながら、時系列を入れ替えストーリー展開を読みづらくするのは、各方面の批判から思想を隠蔽するための小手先の手段で稚拙。
 独りよがりかふたりよがりかはわからないが、圧倒的な作画と優れた色彩設計を放ったが、今回はBONESのリソースを無駄遣いしたと言えよう!
 
 2期あるようだけれど、この後どうするんだ??